みなさん、こんにちは。今日はいま注目のお仕事ということでDTPをご紹介します。
デザイン関連の業界の求人情報に、DTPデザイナー・DTPオペレーター職をよく目にします。DTPが出版・印刷業界に関するエンジニアと認知している方は多いと思います。しかし、DTPがどのような意味を持ち、DTPデザイナーが具体的にどのような業務をするかご存知でしょうか？これからDTP職を紹介していきます。
DTPとは？
DTPとは、DeskTop Publishing（デスクトップ・パブリッシング）の頭文字を取った略称です。日本語和訳をすると「机上出版」「卓上出版」となるようです。DTPの主な役割は、パソコンで出版原稿データ作成・編集して、冊子や書籍などの印刷物を作成することです。昔はDTP技術がありませんでした。印刷物を制作するときに版下の作成・製版、印刷などの工程をそれぞれの専門エンジニアが分業して担当していました。そのため、印刷物作成に多くの員数と時間が必要でした。しかし、DTP技術が開発されたことで、前記作業を全てパソコン上で実行できるようになりました。
DTPデザイナー・オペレーターとは？
DTPは、一般的にDTPデザイナー、DTPオペレーターの２つに分かれます。DTPデザイナーとDTPオペレーターを紹介します。
まずDTPデザイナーは、一般的には出版・印刷物のデザインの割り付けをパソコン上で作業します。文章・写真、イラストのレイアウトを勘案して、DTPアプリケーションソフトウェアを活用してデザインをするエンジニアが、DTPデザイナーです。
DTPオペレーターは、DTPデザイナーが作成したデザインデータを基にして、修正・加工をして印刷できるデータを作成します。DTPオペレーターはDTPデザイナーと比較すると、デザインを担う要素は少なくなります。実際の就業環境では、DTPデザイナーとDTPオペレーターを兼務するケースが多いようです。DTPデザインをするときに、DTPオペレーターのスキルも必要となるために兼務するようです。
DTPは具体的な業務とは
では具体的にDTPでどのような業務があるのでしょうか？
DTP技術が普及する前後の作業工程と合わせてみていきます。DTP以前の業務としては下記のような手順で行われていました。
- 「企画」を提案します。
- 「編集・デザイン」です。企画を基にして文字・写真、イラストなどのレイアウトをします。
- 「版下の制作」します。レイアウトを基にして文字を配置し、写真・イラストを配置する箇所を決めます。
- 「製版」をします。前記工程の「版下」を基にして、写真・イラストを取り込んで印刷用のフィルムを作成します。
- 「印刷」です。前記工程の「製版」で作成したフィルムから刷版を作り、印刷機に掛けます。
- 「製本」です。前記工程の「印刷」されたページをまとめて、冊子や本にします。
上記の工程で2「編集・デザイン」、3「版下の作成」、4「製版」工程はDTP技術の進歩によりパソコン上で実行できるようになりました。DTPデザイナーが版下・製版の作業を都度確認し、問題点や誤植を修正する工程が軽減され、制作時間が短縮できるようになりました。また、仕上がりページに近い状態を制作できるため、イメージに近いものを制作することができます。DTP技術は、版下作成をせずに入稿用に作成したデータを印刷したものが版下として使用されるようになっています。
DTPで使用するアプリケーションソフトウェアは？
QuarkXPress
QuarkXPress （クォーク・エクスプレス）は、Quark社の販売しているDTPソフトウェアで、Quark社の代表的製品です。Mac OS 9の時代はMacintoshによるDTPスタンダードアプリケーションソフトウェアでした。QuarkXPressは、DTPレイアウトアプリケーションソフトウェアです。使い易さと安定度の高さからDTP業界で圧倒的な支持を得ていました。操作性から根強い人気があるアプリケーションソフトウェアです。
Adobe Indesign
Adobe社の代表的なDTPレイアウトアプリケーションソフトウェアです。ページ数の多い冊子や書籍のレイアウトデザインに多く活用されています。DTPデザインのアプリケーションソフトウェアのAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorとの互換性が良いため、多く使われています。
Adobe Photoshop
Adobe社の代表的な画像加工することに適したアプリケーションソフトウェアです。画像加工ソフトウェアとして高い機能を持つことから、写真の合成・２次元のCG、イラスト編集などの利用方法が考えられ、プロフェッショナルの方々が使用する評価の高いソフトウェアです。
Adobe Illustrator
Adobe社の代表的なイラスト・グラフ、図表などを作成することに適したアプリケーションソフトウェアです。グラフィックデザインの世界ではこのアプリケーションソフトウェアがよく使用させています。数ページのパンフレットやポスター、チラシなどは当アプリケーションソフトウェアでレイアウトまで行い印刷することが可能です。
Adobe Acrobat
Adobe社の代表的なもとデータをPDFに変換するアプリケーションソフトウェアです。当アプリケーションソフトウェアを使用することで、パソコンの機種・OSを気にせずに内容を確認・印刷することが可能になります。当アプリケーションソフトウェアにより、基データのファイル形式の自由度がアップするようになりました。
DTP職種の年収はどれくらい？
求人広告でよく見掛ける「DTPデザイナー」「DTPオペレーター」の業務ですが、出版・印刷業界・Ｗｅｂ制作企画業界、IT業界などから求人募集があります。これから「DTPデザイナー」「DTPオペレーター」の平均報酬を紹介していきます。第1に「DTPデザイナー」です。「デザイン」という専門性の高いスキルが要求されるようですが、正規雇用者従業員の場合は、概ね300万円～350万円の年収です。日本の全産業平均年収440万円と言われていますので、低位な年収額です。第2に「DTPオペレーター」です。DTPアプリケーションソフトウェアを使用するスキルは必要ですが、高位な専門性が要求されないようです。そのため年収は約300万円前後のようです。エンジニア職であっても高収入ではない傾向があります。
DTPがオススメの理由
DTPがオススメの理由として、手に職がつくということと、リモートワークがあります。
DTPは手に職がつく
DTPのお仕事は手に職がつくと言えます。なぜなら、デザインの知識と前述したアプリケーションを使って作業するオペレーションのノウハウの両方が要求されるからです。学校を卒業して、明日からプロとして仕事ができるわけではないので、ある程度の業務経験が必要になりますが、ある程度のレベルまで到達するとどの案件でも対応できるようになります。DTPの業務はAdobeなどの世界中で使われているアプリケーションを使用することもあり、会社ごとのやり方に縛られることなく、どこの会社でも似たような業務を行なっています。なので、手に職をつけることができれば、会社に依存することなく将来的には自分がやりたい仕事をやることも可能です。
また、手に職がつくことのメリットはスキルが陳腐化しにくいこともあります。なので、女性の場合子育てなどで現場を離れることもあるかもしれませんが、手に職があるので会社に復帰後にすぐに即戦力として現場に復帰することもできます。
リモートワークの普及
近年、働き方改革などでリモートワークが注目されていますがDTPはリモートワークとも相性が良い仕事です。リモートワークは在宅勤務とも呼ばれますが、自宅にいながらインターネット経由で会社の仕事をします。前述にAdobe等のアプリケーションは以前は各パソコンにインストールする必要がありましたが、最近ではインターネット経由でインストールすることなく利用できます。クラウドとも呼ばれます。
ベンチャー企業などでは、エンジニアやDTPのようなデザイン系の職種は週に１度など決められた曜日に出社できれば、その他の日はリモードワーク可能な会社もあり、子育て中のママなどは自宅で子育てしながら仕事もやることができるメリットがあります。リモートワークは今後ますます多くの会社に広がっていくことが予想されますが、営業職（訪問があったり）や管理部などどうしても会社にいなければいけない職種もあります。DTPは割とリモートワークが許容される職種なので、そういう観点でも女性にはオススメです。
DTPのキャリアパス
DTPはまだまだ新しい職種ではあるので、仕事の定義はまだあいまいだったりするのですが、どちらかという１ページごとをデザイン・レイアウトなどを作り込んでいく作業的な仕事が多い印象がありますが、経験を摘んでいくとWebディレクターやアートディレクターといったようなWebサイト全体や雑誌全体のディレクションにも関わる職種にステップアップすることもあるかもしれません。新しい職種なので、まだまだ明確なキャリアパスなどは決まっていないこともありますが、逆にいうとチャンスは多いと言えそうです。
DTPとして働く人の声をまとめました。
20歳台後半、女性のグラフィックデザイナーのケースです。
デジタルコミュニケーションデザイン専攻の専門学校を卒業しました。全くの初心者からのスタートで、ソフトの使い方はもちろん、デザインの考え方からノウハウが学べるカリキュラムは面白さも難しさも教えてくれるもので、現在大いに役立っています。何よりキャリアデザイン授業は、自分の武器を装着してくれたようです。
20歳台後半、女性のグラフィックデザイナーのケースです。
スキルだけでなく、仕事してデザインの在り方を学べたことが本当に良かったです。霧が晴れるようにデザイン業界への道筋が見えてくる実感がありました。さらにトップデザイナーである講師の基で学べたことが刺激的な経験でした。
20歳台前半、女性のエディトリアルデザイナーのケースです。
元来パソコンが得意ではありませんでした。制作している最中は夢中になって楽しくなります。自分がこだわっているパーツを褒められると嬉しくなり励みになりました。多くのプロフェッショナルの考え方、デザインとの向き合い方に触れられたことが、本当に役に立っています。
20歳台後半、男性のアートディレクターのケースです。
制作工程も好きですが、企画やアイデア出し工程スキルを身に付けました。考えなければならない課題に満ちることに喜びを感じました。悩むことで考えが見えてくることで達成感や充実感が自信に繋がっています。
まとめ
Ｗeb媒体が普及した今でも、紙媒体は根強い人気があります。自分で印刷用のデータを差作成して、インターネットで印刷を注文できるサービスが増加したように、今後もDTPは必要とされ続けるようです。DTPの知識とスキルを身に付けて、良い作品を多く制作しましょう。またフリーランサーという形で個人事業主として独立し、自宅で仕事をすることもできるDTPは幅広い選択肢を人生にもたらせてくれるかもしれません。